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適正評価の必要性

 

 先進国を中心に外国の多くの国では、国家や企業がスタッフを雇用する際、セキリュティクリアランスやバックグラウンドチェックと呼ばれる資格・適性審査を実施します。従事する職務と職位によって審査内容は変わり、重要度に従って高度なレベルの審査を受けることになります。

 日本を含めたアジア諸国ではこの方面は遅れていると言われますが、日本では近年施行された特定秘密保護法の条文に特定秘密取扱従事者には資格・適性審査をする適性評価を義務付けることが明記されました。

 この特定秘密保護法は、特定秘密の範囲や適用期間など随分と議論されましたが、適性評価(民間事業者も含まれる)に関しては、世界の常識です。なぜなら同盟国間で軍事情報やテロ情報など共有するとき、何の審査も受けていない人がその情報に触れるとしたら、セキュリティを担保できないからです。日本にいると実感はわかないかもしれませんが、世界は民族や宗教などの対立から紛争で溢れており、人間は自分を守るためには嘘をつくという考え方は一般的です。職に就くということも、収入を得る以外になんらかの目的で自分を守ることと考えれば、目的のために嘘をつく可能性は当たり前に頭に入れておかなければなりません。

 2009年にはイギリスの雇用調査会社PowerChex社が、五人に一人の応募者のCV(職務経歴書)に嘘や矛盾があるとし、これが新聞テレビで報道されて世間を驚かせました。これは金融業界の応募者を対象としたものだったということ、この数字が秩序やルールを重んじると言われるイギリス国内のものであるということで話題になりましたが、さらに面白いのは、その翌年に同社が発表したところによると、CVの嘘や矛盾は5%ほど減少したというのです。報道があったことで、明らかに誤魔化すことのハードルが上がったということでしょう。嘘や矛盾はシステムや環境の度合いで増えたり減ったりするものですが、このことから言えるのは、セキリュティが機能した環境であれば、人は容易に嘘をついたりごまかしたりはしないということではないでしょうか。

 嘘やごまかしは悪いことですが、嘘やごまかしが通用するような環境にも責任はあると思います。以上のようなことから当社では、適性評価をシステムとして設置することで、ここでは嘘やごまかしは簡単には通用しないという意識を持たせ、それが結果として未然にトラブルを防ぐ抑止力に繋がると考えています。

 

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